
○ 遠藤 結さん
(メリアル・ジャパン株式会社 大動物部門 学術部主任/獣医師)/愛犬1匹(ココちゃん)
○ マー 美奈さん
(メリアル・ジャパン株式会社 セーブペットプロジェクトプロジェクトリーダー)/愛犬3匹(ラケールちゃん、ブーちゃん、ハチコちゃん)、愛猫2匹(フィガロちゃん、ブラッキーちゃん)
○ 泉 三恵子さん
(メリアル・ジャパン株式会社 コンパニオンアニマル部門 カスタマーズサービス 課長代理)/愛猫3匹(ぶんたくん、チャピくん、ゴロくん)
聞き手:松原 賢(ONE LOVE事務局)
NEW FAMILYの第2回目は、「Save Pet Project」に取り組むメリアル・ジャパンで働きながら、保護動物たちを引き取り幸せに暮らす3人を迎え、座談会を行いました。
保護犬や猫を引き取ろうと思われたきっかけは?
遠藤さん フレンチブルドッグの4歳の女の子・ココを8月に引き取りました。直接のきっかけは、「新しい飼い主になってくれませんか?」というマーさんからのメール。そのときは「早くいい飼い主さん見つかればいいなあ」と思っていたのですが、1ヶ月後にマーさんから飼わないかって言われて。「まだ飼い主が見つからないから、保健所に連れていかれちゃうかも」と。マーさん まあ半分おどしみたいなもので(笑)
遠藤さん そのとき「自分の手の中にこの子の命があるのだな」と思い、主人に連絡したら「じゃあ、うちで飼うしかない、安楽死なんてかわいそうだ」と返事がきたんです。その後、一時は別の方にもらわれていたとか紆余曲折があったのですが、結局トイレのしつけができなかったという理由で返されてきて、最終的に我が家で暮らすことになりました。でも、うちに来たら2日目にはもう失敗しなくなったんですよ。
マーさん ふたりはしつけが上手で。彼女は獣医師ですし、ご主人はイギリスの方で、RSPCA(王立動物虐待防止協会)のボランティアをしていたことがあるくらい心得てらして、おしっこがきちんとできたら、もうこの世のものとは思えないくらい褒めるんですよ。
遠藤さん だからもうきちんとトイレができるのに、ココは未だに褒めてほしくて「したよ!」って顔で走ってくるんです(笑)
マーさん 我が家は全部で動物が5匹いて、ワンちゃんが3匹に猫ちゃんが2匹。一番新しいのがハチコで、この4月にいただいた2.6kgの小さな子。動物保護活動がどういうものかを知るためにうかがった「ちばわん」という団体の譲渡会で出会いました。元気でキレイでかわいい子たちがいっぱいいる中で、昨日保護されたばかりの19匹は、毛を短く刈られ、不妊手術後のバンデージが貼られたままでブルブルと振るえていました。ブリーダーから保護されると、だいたいはトリミングもされず、歯も磨かれず、栄養状態もよくないんです。他の子たちに比べて、ちょっとみすぼらしかったそのグループの中からハチコをいただいてきました。ブリーダーのところでは散歩もさせてもらえず、狭いところに閉じ込められていたので、足腰も弱くなっていましたが、今では元気に走り回っています。
泉さん 最初に飼った3匹はすでに亡くなりました。現在、我が家にいるのは猫3匹で、家の近くで拾ったぶんたくん、ペットシッターさんの紹介でやってきたチャピくん、そして3年前に仲間入りしたゴロちゃん。一番最初に飼った猫とは23年間を共にしたので、亡くなったときにペットロスに陥ってしまって、ペットシッターさんに、ちっちゃくて甘えてくれる猫ちゃんがほしいって相談したら「もう4〜5ヶ月でちょっと大きいんだけど、とっても甘えん坊だから」とすすめていただいたのがゴロちゃん。保健所に連れて行かれそうだった所を保護された猫でした。実際、とても甘えてくれて、本当に癒されました。
ではみなさん、「子犬や子猫を買う」というのとは、違う出会いをなさってきたわけですね。
遠藤さん ココを引き取る前に飼った2匹の犬は、どちらもブリーダーから子犬を買いましたが、イギリス留学をきっかけに考えが大きく変わりました。まず気づいたのは、日本との動物に対する扱いの違い。ブリーダーに対しても規制が厳しくて、ホントに素晴らしい方たちがきちんとなさっている。一方、日本は無法じゃないですか、犬を子犬製造マシーンくらいにしか考えていないようなブリーダーもいますし。それから日本と違って、イギリスでは「ペットはシェルターから引き取って飼う」という考えが一般的です。ホストファミリーでもシェルターから引き取った犬を飼っていましたし、うちの主人もそういう考えです。私も今では、こんなに飼い主を待っている大人のワンちゃんや猫ちゃんがいるんだったら、そういう出会いがあってもいいのでは、と思うようになりました。
泉さん 私の友人に、ペットショップに行かなければと動物は飼えないと思っていた人がいました。シェルターから引き取るとか里親制度があるとか、そういう制度を知らなかったと言うんです。彼女のように、いろいろな制度があることを知ってさえいれば、活用する人は他にもいるはずなので、もっと多くの方に知ってもらえるように、宣伝する必要がありますよね。
マーさん それに、保護した子と暮らすのは、子犬や子猫と生活するのとまた違った醍醐味があります。うちにきたときは、人間を信頼していないのがだんだん、人間を好きになってくれて認めてくれるっていうのを毎日感じるんです。これは子犬や子猫と暮らすのと違って、おすすめかなと。余計にいとおしく感じるんです。
もし今後、まわりで動物を飼いたいという人がいたら?
泉さん 「犬を飼うのは大変そうだけど、動物を飼いたい」という人には、猫をおすすめします。犬の場合、ひとりでおいておくのはかわいそうだし、しつけも散歩も必要。その点、猫はトイレをしつける必要もないし、楽ですよ。まずは猫から飼って、それから犬へ移行していくのもいいのかなと。犬ほど食費もかからないし(笑)
遠藤さん そうですね。いままでは2人だけの気ままな生活だったのに。犬がいると帰る時間とかも気になるし。旅行とかにいくときも預けなければならないし、犠牲を払っている部分があると思いますが、我が家にココが来てくれてほんとによかった。まだ一緒に暮らして4ヶ月くらいですけど、ずっと昔からうちにいたような、もう無くてはならない存在になっています。大人になってから飼うことに不安を感じる人も多いかとは思いますが、うちはそういう点はまったく問題ありませんでした。飼ってみて馴染むのに時間のかかる子もいるかもしれませんが、きっとペットショップで買った子犬や子猫よりも特別な存在になってくれると思います。マーさん 時間もお金もかかるのは事実ですが、そうした犠牲を超えるいいことがたくさんあるのは確か。ただ、飼うまえにはきちんと、ずっと暮らしていけるか、最後まで責任もって面倒をみれるかどうかを確認してからにしてほしいですね。

メリアル・ジャパンとゼノアックは、殺処分減少を目指す「セーブペットプロジェクト」を2010年5月からスタートしました。このプロジェクトでは、ノミ・マダニ駆除薬「フロントライン」の売り上げの一部を、社団法人日本獣医師会とONE LOVEプロジェクトを通じて9つの動物保護団体に寄付しています。メリアル・ジャパンとゼノアックでは全ての動物たちが幸せに暮らすことができる世の中になるための活動を、この先も応援していきます。
●「セーブペットプロジェクト」ウェブサイト http://www.s-p-p.jp/



