ONELOVE すべての犬に愛と家族を。

special interview

作家、アーティストとして様々な社会貢献活動に参加されてきた松坂星奈さんは、毎日捨てられる命のおはなし『帰る家のないどうぶつたち』を上梓されました。殺処分される犬たちについて執筆しようと思われたきっかけから、1人でも多くのこれから犬を飼う人に知って欲しい「ペットと暮らすための自己チェック」もお話いただきました。

O.B. 松坂さんは途上国での学校建設や、里親活動にも関わっておられると聞きましたが、社会貢献に関心を持つきっかけは何かあったのですか?

松坂 私、中学校の時からギターを弾きだしてライブ活動をやっている中で、音楽をボランティアに活かせないかなと思ったんです。それで色々な会場でコンサートをして、その収益金を寄付していました。全額を寄付するので、ライブ会場を借りるお金や練習スタジオ代も全部自腹でしたから、持ち出した金額は凄いと思います。

O.B. そういう想いが現在は動物の方向性に向いておられて、松坂さんは『帰る家のないどうぶつたち』という1冊の本になったのですね。

松坂 私も以前から殺処分の存在はテレビなどで知っていたのですが、犬を飼っていなかったということもあって、そんなにリアリティーのある問題として認識していなかったんです。そんな私が2009年の初夏に「ちばわん」さんのセンターレポートを見る機会があり、写真を見た瞬間に、『これはどうにかしないといけないな』って思ったんです。 それで、自分にできることは?と考えたのですが、仕事が忙しいので実際にボランティア活動に参加する余裕が無くて。預かりボランティアも考えたのですが、家を空けることが多く出張もあるのでちょっと難しいかなと。そんな今の環境で出来ることは、書くことだ!と思ったんです。書籍やブログを活用して、1匹でも救いたい!そんな気持ちがすごく強く湧いてきたんですね。それで以前お目にかかった出版社の方に企画書をお送りました。同時に「ちばわん」さんにも『取材をさせてください』って・・・。まだ出版されるかも決まっていない段階なのにご連絡してしまい。普段はおっとりした性格で、ぼんやりしているんですが、いざ火が付くと考えるより先に行動に出てしまうんですね。

O.B. 実際に動物愛護センターに行かれて、どうお感じになりましたか?

松坂 本当に辛いですよね。仕事だという気持ちで割り切っていかないと。そう思っていてもポロポロ涙が止まらなくて。センターの職員の方も、少しでも多く救いたいと思っているのに・・・。 良かったのはその日にレスキューされた犬たちがすごく喜んでいました。黒い1歳にも満たないくらいの子犬は、出された瞬間にお腹を出して。でも一方では、こんなに人慣れしているのに捨てられてしまったんだと驚いたんです。違う日に訪れた時には、大はしゃぎして飛び跳ねている犬がいる一方で、もう1頭の柴犬は不安そうな顔をして足を踏ん張って動かなかったんです。「もう出られたんだから大丈夫だよ」と声をかけても動かなくて。でもちょっとずつ心を開いてくれて、外に出た途端に「お散歩行く?」って言ったら『行く!』って感じでタッタッっと大喜びで走ってくれました。きっと「自分は助かった」「外ってこんなに気持ちよかったんだ」実感出来たんだと思います。

O.B. 松坂さんが取材された中で、引き取られて幸せになった犬たちも多いようですね。

松坂 取材させていただいた犬たちは、みんな本当にいい子ばかりでしたね。ボランティア団体の皆さんが愛護センターから引き出す時に、犬の性質を見極めていることも大きいと思います。さらに預かりの期間にきちんとしつけもされているようです。保護犬たちはそれぞれ個性があって、辛い思いをしたことを全く忘れてはしゃいでいる子もいるし、やっぱり怖い思いをしたから人間に対してビビり気味の子もいるし、ずっと繁殖犬として生きてきた犬たちはケージから出るのがちょっと怖かったり。でも譲渡会にいる犬たちは基本的には人慣れした犬たちばかりですね。

O.B. 普通に飼われている犬たちよりも、良い「子」が多いという話もよく聞きます。

松坂 そうですよね。取材させていただいた家族のみなさんも、そう仰っていました。「預かりさんのところでしっかりしつけてもらっていたので楽でした」と。

O.B. 犬を迎え入れる際に、どういう性格の犬なのか分かった上で飼えるのは、保護犬を飼うことのメリットですよね。

松坂 譲渡会に行くと預かりボランティアさんが、その犬の性格や癖、病気がある子だったらその対処法も丁寧に説明して下さるんです。本当に預かりの期間、愛を注いで保護犬と生活をしていらっしゃるんだなと感じます。譲渡会は、そんな愛があふれている温かい場所でもあるんですよね。私は、ペットショップやブリーターを否定する気持ちは無いのですがそこに行く前に、まずは「保護犬」。きちんとしつけられている所も含めて、保護犬は良いよと多くの人に知ってもらいたいです。

O.B. この本に込められた想いは、保護犬を知って欲しいということでしょうか?

松坂 本当に、幸せな動物たちが1頭でも増えたらいいな、ってことに尽きます。
あと、許せないのがペットをリサイクルしているような所は本当に許せないですね。バッグや時計じゃないんだからって思います。命あるものをそうやり取りするのは本当にもうあり得ないですよね。命は尊いものなのですから。

O.B. 殺処分される犬が一頭でも減るために、私たちが意識を持って出来ることはなんでしょう?

松坂 次に犬とか猫を飼う人は是非、保護された子も視野に入れて欲しいと思います。そして引き取った方は、その犬や猫がどんなに良い子なのかを他の誰かに伝えていただきたいです。そういうメッセージがウェーブのように広がっていけば、全国で殺処分される命は確実に減っていきます。 あとは、飼う以上は本当に最期まで責任を持って飼って欲しいですね。その為にも、飼う前に本にも書いた「ペットと暮らすための自己チェック」を行っていただきたいです。

1.毎日面倒を見られる
2.家族全員が飼うことに同意している
3.ペットOKの住居かどうか
4.近所などに対してペットを飼える環境かどうか
5.自分が家を空ける場合、誰か手助けしてくれる人がいるか
6.転勤や引越しても手放さない
7.動物アレルギーではない、またはアレルギーだとしても飼う自信がある
8.飼うだけの経済力がある(えさ代、治療費は想像以上にお金がかかります)
9.最期まで愛せる

O.B. 当たり前な事ほど大切ということですね。ご本を1人でも多くの方に読んでいただければと思います。ありがとうございました。

松坂星奈 (まつざかせいな)

人間社会、動物とのつながりを大切に、改めて人間の生きる力の源は、身近な愛情の積み重ねであると信じ、その想いを人や動物との触れ合いを通した表現で発信している。人や動物が共存できる社会をできることから提案するべく日々、犬、猫に限らず、うさぎ、馬などとの触れ合いにいそしむ毎日を送っている。 大学(芸術科美術専攻)卒業後、20代のころより、芸術を通じてボランティア活動を開始。講演やライブなどでの収益金を発展途上国などに寄付。子どもたちの里親活動、保健施設や学校施設の建立にも勤めた。
代表著書「帰る家のないどうぶつたち」(PHP研究所)

『オフィシャルサイト』
http://www.happiness-f.com/SEINA/