ONELOVE すべての犬に愛と家族を。

special interview

国内外で洋服を中心としたライフスタイルを販売するセレクトショップ「BEAMS」を展開する設楽洋さんは、これまでに2頭のゴールデン・レトリーバーを飼ってきた大の愛犬家です。現在の愛犬、ケリーちゃんとの出会いや、犬に対する想い、経営者として考えていることなどもうかがいました。

ONE BRAND(以下、O.B.) 今日は設楽社長の愛犬も連れてきていただきまして、ありがとうございます。とても珍しい犬種ですね。

設楽 ケリーはレークランド・テリアのメスです。前の犬が居なくなってから傷心でずっと犬は飼わずにいたんです。たまたま軽井沢へ行った時に、見たことも無い犬がいたので、それで飼い主さんに「何という犬ですか?」と聞いたら、ソフトコーテッド・ウィートン・テリアという犬種で、テリア専門のトリミングサロンにお願いして探してもらったと聞いたんです。ただ、その時点では、我が家では犬といえばゴールデン・レトリーバーでしたし、私たち家族は大型犬、特にゴールデンが好きでしたから、なかなか中型犬・小型犬をと考えることが出来なくて。

O.B. 湘南の海岸沿いをゴールデンと歩いてらっしゃる設楽さんの姿は、とても様になっていたでしょうね。

設楽 もう完全にその世界でいましたよ。ある休みの日に女房とウォーキングしている時に、軽井沢で聞いたトリミングのお店の前を通ったので、ちょっと覗いてみたんです。ソフトコーテッド・ウィートン・テリアがいるかなと思って。聞いてみると、とても珍しい犬種で日本にはなかなか入ってこないという話だったんです。そうしたらお店のスタッフの方が、生まれたばかりの子犬を連れて仕事に来ているから、見せてもらおうということになって。そこに生まれて一週間目くらいのケリーがいたんです。

O.B. そこで出会ってしまわれたんですね。

設楽 その場で欲しいと言ったけれど、すぐにはだめだと断られて面接されたんです。私たちの犬への思い入れとか、飼った経験について。それからどういう環境で、どういう育て方をしたいかというようなことを。

O.B. いきなり面接となると、驚かれたのではないですか?

設楽 逆に信頼できましたし、こちらも中途半端な気持ちで飼ってはいけないなと思いました。それからうちの家も見に来られたりと、なかなかOKをもらえなかったんですよ。

O.B. その時点ではゴールデンから、心はケリーちゃんに・・・

設楽 犬は大きければ大きいほど好きという性質なので、私たち夫婦が30〜40代であれば、また違った判断だったのかなと思いますね。最初の犬がシニアになった時に歩けなくなってしまったので、病院へ行くのも、車に乗せるのも僕が持ち上げないと女房だけでは運べなかったんです。そういう経験をしたことがあったので、ちゃんと世話出来るかどうかを本当に真剣に話し合いましたね。僕は来年還暦ですし、十数年経ったらと考えると。

O.B. 最終的には設楽さんなら大丈夫だということで、ケリーちゃんが家族の一員になられたんですね。現在、ご家族の中でケリーちゃんはどのような存在ですか?

設楽 家族も子どもが成長すると、だんだん独自の生活を始めますよね。かつては休みの時だと一緒に食事行ったり、ドライブへ行ったりしたのに、だんだんそうで無くなってくる。ケリーは家族を全部繋いでくれるように思います。ケリーのためにというと皆集まってくる。「縁は奇跡、絆は育むもの」という言葉がありますが、僕は本当にそうだなと犬を飼って感じますね。縁というのは動物に対しても人との出会いでも、奇跡みたいなものですよね。一期一会で終わっちゃうか、そこから絆が生まれてずっと育んでくかっていうのかは、それは家族であってもそうだし、友人であってもそうだし、会社で一緒に出会って同じ釜の飯を食う仲間もそうだし。

O.B. 経営者として犬から教わることもおありになりますか?

設楽 ありますね。一番大きいのは、触れ合ったり、抱き合ったりした時に、そこに命がある、そこに体温があると感じることですね。同じ見た目でもぬいぐるみではそれは感じられない。そうすると、「愛っていうのは体温だな」と気付くんです。それは社員に対して注意するとき、あるいは指示するときでも、そこに体温があるかどうかで伝わるものが違うんじゃないかなと感じます。

O.B. さて、設楽社長は現在、日本の犬たちが置かれた状況について、ご存知でいらっしゃいましたか?

設楽 犬と猫を合わせると年間三十万頭近くが、殺処分されているということは、報道を含めてよく知っています。自分の周りでも動物保護の活動をされている方も多いので、これまでも身近に感じていましたね。
社会の意識も問題ですけれど、法律の整備というものが日本ではまだまだですよね。先進国のなかでも動物愛護に関することは凄く遅れているなと思います。具体的には保健所が殺処分をする場所から、犬たちの新しい飼い主を探す場所へと変わっていかないといけないんじゃないかと思います。

O.B. 行政がやらなきゃいけないことと同時に、民間がやるべきこともあると思い、私たちはONE LOVEプロジェクトとして犬の殺処分問題に取り組んでいます。

設楽 僕も両面必要だと思います。ONE LOVEさんもそうですし、色んな方法で殺処分の問題を気付かせる、保護犬の新しい飼い主になるという制度について知ってもらうことは必要ですけれど、その広め方によって受け取るイメージは随分違ってくるという風にも思います。保護犬を可哀想だから引き取ってあげてというのではなくて、そういう素晴らしい出会いの機会があるんだという見せ方をすることが凄く大事ですよ。

O.B. 設楽社長からはチャリティーオークションでの落札金をONE LOVEにご寄付いただいて、とても感謝しています。

設楽 BEAMSは洋服を売ることを生業にしているわけですけど、常に「洋服を売るってどういう事だろう」と経営者として考えているんです。暑さ寒さを凌ぐだけだったら、皆さん既に洋服は十分に持っている訳ですから。それでも洋服が欲しいと思ってもらうには?と考えると、それを手にしたり、袖を通した時に感じるワクワクドキドキ、ハッピーな気持ちになりたいから買っているんだと思うんです。そうすると我々は「幸せ」を売っているんですよね。だから「幸せ」じゃない思いをしている人や動物たちに何らかのプレゼントすることを、うちは会社としても取り組んでいるんです。エコロジーについてはもちろん、ドイツ国際平和村への店頭募金はずっと続けていますし。
今回のチャリティーオークションは私、個人としての取り組みでしたから、最も身近にいる犬たちに関する問題に対してプレゼントしたくて、ONE LOVEプロジェクトに寄付をさせていただきました。それと少しでも自分が動くことで、金額以上に犬の殺処分問題について知ってくれる人がいたらいいなということもありましたね。

O.B. 最後にONE LOVEメッセージをお願いします。

設楽 ガンジーの言葉で「国の偉大さや道徳的水準は、その国で動物がどう扱われているかによって判断することが出来る」というものがありますが、確かにその通りだなと痛感させられます。日本は本当に先進国なのかということも含めて、私たち人間は改めて心に問わなきゃいけないと思います。

設楽洋 (したらよう)

ビームス代表取締役
1951年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒、1975年株式会社電通入社。
セールスプロモーション広告局でイベントプロデューサーとして数々のヒットを飛ばす。
1976年電通社員の傍ら「ビームス」設立に参加。1983年電通退社。
自らをプロデューサーと位置付け、その独自のコンセプト作りによりファッションだけでなく、あらゆるジャンルのムーブメントを起こす仕掛人。
個性の強いビームス軍団の舵取り役。

『BEAMSオフィシャルホームページ』
http://www.beams.co.jp
『設楽 洋twitter』
http://twitter.com/TARAcyan3