ONELOVE すべての犬に愛と家族を。

special interview

ペットと飼い主、そして飼っていない人の"共生"をテーマに、公園での清掃活動「パーククリーン」を続けているNPO法人gentle oneの涌井規州代表理事は、様々な形でモラル啓発のプロジェクトを企画、実行しています。「チャリティ犬用ウンチ袋の配布」プロジェクトでは、飼育放棄された犬猫への支援を目的に、ONE LOVEへの寄付も2010年に開始されました。

ONE BRAND(以下、O.B.) gentle oneは公園の清掃活動を通じて、人と犬の共生社会を作っていこうという団体ですよね。新たに殺処分の問題にも取り組むようになったきっかけは?

涌井 きっかけは『犬と猫と人間と』なんですよ。知り合いから映画のチラシを事務所に置いて欲しいと言われて、チラシに書かれていることを読んで、それで映画の題材になるくらい現状はヒドイのだと気付いたんですよ。これまでマナーの活動をしていても、正直なところ殺処分については関心が無かったんだけれど、gentle oneの活動の中で何か協力できないかなと。
そこで、gentle oneに1,000円以上寄付してくださった方には、犬用のウンチ袋を100枚差し上げるというプロジェクトを始めたんです。そして、その寄付の一部を保護団体さんにお渡しすることで、何か貢献できればと。まさにウンチ袋を通じた"善意のおすそ分け"が出来れば良いなぁって。街や公園もキレイになるし、可哀そうな犬も減るし、2つのゼロが実現できるって、結構本気で思っています(笑)。それで直接、保護団体さんに寄付することも考えたのだけれど、どの団体さんにお渡しするのが良いか分からなかったので、ONE LOVEさんを通じて役立ててもらえればと思い、寄付させてもらいました。

O.B. ありがとうございます。きちんと全額を保護団体さんにお渡しします。殺処分に関する問題にもモラルとマナーは深く関わっています。

涌井 gentle oneの活動のテーマはマナー・モラルということで一貫しているんです。公園の清掃、パーククリーンを東京では代々木公園で、札幌では丸山公園で第1・第3土曜日に行っています。活動を続けていて思うのは、お掃除って深いもので、当時は共存共栄の場を綺麗にしようという目的で始まったんだけど、そもそもゴミをポイ捨てしない人って、ウンチを拾って持ち帰る人って、犬のポイ捨ても絶対にしないと思う。
環境問題もそうだけど、エコって周りへの気配り、思いやりですからね。人・街・地球・・・飼っている人は犬への思いやりも必要だし。そういう思いやりを持った人を増やしていくことをPARK CLEANで実践したい。流通が抱える問題も含めて"ペットを捨てさせない仕組み"は法律で作ってもらって、gentle oneでは"ペットを捨てない人作り"に取り組みたいなと。そうしないと、結局イタチゴッコは解消されないでしょ。意味としては、殺処分ゼロと言うよりは、飼育放棄ゼロを目指すってことに近いと思う。

O.B. 人を作るってとても難しいことだし、数値化できないけれど一番大切なことですよね。涌井さんがシブヤ大学で講師をやったり、イベントで話されたりすることも、人作りの一環なんでしょうか。

涌井 僕はドが付く素人だから教えるというよりも共有する、共感してもらうために機会があれば話しています。僕は本業が広告なので、人への伝え方、コミュニケーションの方法については、とても考えることが多くて。例えば「愛護」って言われると、一歩踏み出せない感じがある。照れるというか、ハードルが高いというか、日本人にはこういう人が多いと思うんですよ。一方で胸を張って「愛護」に取り組むことが出来る社会を創ることも重要だけれど、現状で距離感を感じてしまっている人たちに対しては、コミュニケーションの方法を考えてもいいのかなって。
その一環として、先日、僕たちは音楽をテーマとした犬のしつけライブを行いました。場所は何故かライブハウス(笑)。そして、その中で殺処分の話をしたら、どう反応があるんだろうと。犬を飼ってる人は?と聞くと、40人の中で4~5組しかいなくて。遠回りのようだけれど、音楽を楽しみに来てくれる人たちに犬の問題を気付かせることが出来たら意味は大きいかなって。

O.B. それは理想的な環境ですよね。日頃から犬に触れていない人たちに話を聞いてもらえるなんて。

涌井 でもそれがちょうど、日本の犬の飼育率って感じでしょ?そのイベントの最後に殺処分についても話をさせてもらったんですよ、みんなでちょっとでも行動を起こせるといいよねって。最初に殺処分を語るイベントはONE LOVEさんに任せるから、最後にちょこっと語るイベントって来てくれる層が違うでしょ?僕は後者寄りのコミュニケーションを続けていきたいなって。

O.B. テーマが深刻であれがあるほど、アウトプットには楽しさがないと、人は巻き込めませんよね。もちろん下敷きには真面目な取り組みが無くてはいけないけれど。

涌井 僕もNPOを始めて6年目なんだけど、犬を飼うこととNPOの運営は似ているんじゃないかと思っていて。まず、誰でも始められるけれど続けていくことが大切。そして簡単に手放す、止めることも出来ちゃうでしょ。NPOなんて儲からないし、本業が忙しいし・・・って(笑)。

O.B. 犬が飼えなくなる理由も沢山ありますよね。フード代や病院につれていくとお金がかかるとか、仕事が忙しくて世話が出来ないとか。

涌井 こんなはずじゃなかったって事も多いだろうし。でもさ、責任ってどうなるの?大変なことも多いけれど、それ以上に楽しいことがあるでしょ?って。

O.B. 今後のgentle oneさんはどういう活動を?

涌井 恐らく今後も、公園をおそうじしたり、犬用のウンチ袋を配り続けてる、ずっと(笑)。でも、夏には飼い主さんを集めて、打ち水をやりたいなと思っています。モチロン、みんなで浴衣着て。上がった温度を下げるんじゃなくて、熱くなる前に水を撒こうというのが打ち水の考え方だから、朝、ペットボトルにお風呂の残り湯を入れて公園に集まって、みんなで打ち水しようよって。残った水はオシッコ後にかけて流せばいいし。そんなイベントの中で殺処分される犬について考えたり、地球環境について考えたりしようよって。地球の温度も下がるし、スポット用の水も節水できる。何だか楽しそうでしょ?

O.B. イベントの日以外にも、オシッコ用の水が余ったら打ち水する文化が生まれてくるといいですよね。涌井さんからメッセージをお願いします。

涌井 ウンチと殺処分はペットに関わる二大社会問題だけれど、その2つの根底にはマナーとモラルがあると思うんですよね。僕たちは思いやりを持った仲間を活動の中で増やしていきます。これから犬を飼う人たち、もちろん子どもにも仲間になってもらって、「犬を飼うときには責任を持って一生大切にします!」と言う人がカッコイイっていわれる日本にしたいですね。

涌井規州 (わくいのりくに)

『gentle one』
http://gentleone.jp/