ONELOVE すべての犬に愛と家族を。

special interview

車いすマラソンの選手として世界で戦い続けている副島 正純さんは、リオデジャネイロで行われる2016年のパラリンピックに向けて日々トレーニングに励んでいます。そんな副島選手を心身ともにサポートしているのは、奥様と2頭の愛犬たちでした。愛犬との存在がアスリートとしての活躍にも大きく貢献しているというお話も伺いました。

ONE BRAND(以下、O.B.) 副島さんは車いすマラソンの選手として、昨年(2012年)のボストンマラソン、ロンドン・パラリンピックでともに4位入賞、そして今年の東京マラソンでは優勝するなど素晴らしい成績を残されましたね!車いすマラソンとの出会いのきっかけは何だったのですか?

副島 僕は23歳の時、仕事中に鉄板の下敷きになって脊髄を損傷、車いす生活に入りました。事故後、リハビリ仲間に誘われて車いすアスリートの練習を見学に行き、自分でもやってみたいと思ったのが、車いすマラソンとの出会いです。もともと学生時代には剣道やソフトボールをやっていてスポーツは嫌いではありませんでしたが、実は陸上にはあまり興味がなかったんですよ。特にマラソンは「走っているだけで何が面白いんだろう?」って思っていましたし(笑)。でも、事故後はスポーツができること自体がすごく嬉しかったので、すぐにのめりこみました。車いすマラソンは陸上というよりむしろ乗り物競技に近いので僕の性に合っていたんでしょうね。「負けたくない!」の一心で頑張っているうちにどんどん上達していきました。

O.B. ご家族は奥様と2頭の愛犬だとか。2頭はどんなタイプの犬ですか?

副島 結婚して最初に飼ったのが「小梅」。そしてその数か月後に飼い始めたのが「桃恵」です。2頭の性格は正反対。小梅は人見知りをしないお転婆で、好奇心旺盛。食い意地もはっていて、ドッグランでもちょっと目を離すと見知らぬ人におやつをねだったりしちゃうタイプです。一方の桃恵はおとなしくてすごく臆病。大きな音が苦手で、人見知りも激しいですね。なぜかうちの父親のこともすごく怖がっていて、実家に連れて行くとすぐに隠れてしまうんです。ある時などトイレの便器の裏に隠れて出てこなかったこともあるんですよ(笑)。実は桃恵は体も弱くて、ペットショップからうちに来た直後、ケンネルコルフ病(※)にかかっていることが判明、かなり危ない状況に陥りました。結局10日ほど入院して事なきを得たのですが、入院費がなんと22万円もかかってびっくり!幸いペット保険に入っていたので助かりましたが…(笑)。犬を飼うっていろんな意味で大変なことなんだなあ…、と実感しましたね。
現在は2頭とも元気ですが、ヘルニアの傾向があるので、ソファを撤去したり階段を歩かせないようにしたりして、なるべく腰に負担を掛けないよう、注意しています。

O.B. 最近では海外のレースに出場する機会も多いようですね。留守中、2頭はどうしているのですか?

副島 普段は2頭で留守番させています。2頭一緒なので特にさびしがる様子もなく、いい子にしていますね。ただし、食い意地の張っている小梅にみつからないように、食べ物は完全に隠してからじゃないとダメ。例えばバックの中にお菓子を入れっぱなしにしておいたりすると、見事に探し出してぜ~んぶ平らげてしまうんですよ。
海外遠征など長期間留守にするときは、長崎に住んでいる伯父の家に預けます。自宅のある福岡から長崎まで連れていくのは大変ですが、2頭が伯父夫妻にすごくなれているので、僕たちも安心して出かけられるのです。

O.B. 2頭と暮らし始めて何か変わったことはありますか?

副島 家庭では、夫婦げんかが減りましたね(笑)。小梅と桃恵は、僕たちがけんかを始めると、すごく不安そうなそぶりを見せるんです。僕たち夫婦の間を行ったり来たりして手をなめたり、じっと目を見つめたり…。そんな2頭を見ると自然にけんかも終わってしまいますね。
仕事面では、2頭が来てからオンとオフの気分の切り替えが上手にできるようになったように思います。たとえば、練習や遠征から疲れて帰ってくると、2頭がまるで「おかえり~!」と言っているかのように、大喜びで出迎えてくれるんですよ。それだけで癒されて、疲れも吹き飛びます!
海外の車いすレースに出ると、介助犬やペットの犬を連れてきている選手をよく見かけます。彼らも犬たちから目に見えないパワーをもらっているんじゃないかなってよく思うんですよ。

O.B. 海外では公の場でも犬を同伴できる環境が日本よりも整っていますよね。特に欧米では動物愛護への関心が高く、犬や猫の殺処分も日本よりずっと少ないようです。日本ではいまだに年間6万頭以上の犬が殺処分されていますが、殺処分問題について、愛犬家のおひとりとしてどう考えていますか?

副島 とても悲しいですし、必ず解決しなくてはならない問題だと思っています。特に今僕のすんでいる福岡県は全国的にも殺処分数が多い地域だと聞いているので、残念でなりません。とはいえ、福岡でも民間レベルでは、確実に意識が変わってきているように感じています。例えばうちの2頭が通っているトリミングサロンでも、スタッフの皆さんがボランティアで保護犬や猫の里親探し活動をされていますし、草の根的な活動は広がりつつあるようです。僕自身はまだ募金などささやかなことしかできていませんが、これからも活動を応援していきたいと思っています。

O.B. 2016年にリオデジャネイロで行われる次回パラリンピックでは、従来の車いすマラソンに加え、クロスカントリー競技の出場も目指していると聞きました!

副島 そうなんです。本当は前回のロンドのリンピックでメダルを獲得して車いすマラソンに区切りをつけ、次からはクロスカントリー一本で勝負するつもりでした。でも、残念ながらロンドンの結果は4位で、メダルには一歩及ばず。悔しくて、悔しくて…。こんな気持ちのまま、車いすマラソンを卒業できないと思い、2種目同時出場を目指すことを決意しました。
車いすトライアスロンは、水泳(750m)、ハンドサイクル(20km)、車いすマラソン(5km)というレース構成。一番得意な車いすマラソンがたったの5kmしかないので大変ですが、やるしかありません。人間、あきらめたら終わりです。これまでも「絶対に負けたくない、あきらめたくない!」という気持ちを奮い立たせ、それでモチベーションを維持してきました。次回パラリンピックにも全力で挑みたいと思っています!
動物愛護を取り巻く問題も、あきらめたらそこで終わりですよね。あきらめずに活動を続けていけば、いつかきっと解決への糸口が見えてくるはず。みなさん、粘り強くがんばりましょう!

O.B. 心強いメッセージ、ありがとうございます。ONE BRENDも、副島さんのご活躍を心から応援しています!パラリンピックに向けて頑張ってください!

副島正純

『副島正純さん 公式ウェブサイト』
http://www.m-soejima.com/