ONELOVE すべての犬に愛と家族を。

special interview

近年、注目を集めているのは、「犬と飼い主との絆を深める手段」としてのドッグヨガです。日本ドッグヨーガ普及協会代表の大沼則子さんは、動物愛護団体で働いた経験を基に、人と犬のより良いコミュニケーション方法として、ドッグヨガを考案されました。ライフワークは、私達にたくさんの幸せと光と喜びを与えてくれる動物たちへ恩返しをすることと言う大沼さんに、動物愛護法改正に関するお話からドッグヨガを通して伝えたい想いを語っていただきました。

ONE BRAND(以下、O.B.) 大沼さんが動物に関わるお仕事を始められたきっかけは?

大沼 一般企業の会社員をしていた頃、ある日、友人に誘われて鎌倉にある葉祥明さんの美術館へ行きました。そこで目の当たりにしたのは、色々な実験をされている動物達の写真で、その事実にもの凄くショックを受け愕然としましたね。それから動物達のために何かしたいと思っていた時に、自然と動物を考える市民会議という動物愛護団体が主催する『阪神淡路大震災の震災動物を救え!』というイベントの告知を見て、「あ、これだ!」と直感的に思いました。そしてためらい無く会社を辞めて、その団体のボランティアとして働き始め、次にアルバイトになって、最終的には職員になりました。

O.B. 具体的にはどういうお仕事をしていらっしゃったんですか?

大沼 私が働いていた団体は、実際に「犬や猫を保護する」のではなく、世論に訴えていくことが主な活動内容でしたので、マスコミに情報提供したり、行政に働きかけなどを行っていました。特に力を入れていたのは動物保護法の改正運動です。小さな団体でしたが、改正運動の中心として、全国から改正賛同の署名を集めたり、ポスターやチラシの配布やイベント開催、全政党へのアンケート調査などをやりました。署名も80万名集まり国会へ請願したのですが、署名用紙と共に子供達からの手紙も多く寄せられ、胸が熱くなると同時に励まされた事を思い出します。そして、政府がようやく保護法改正に動き出したのは、97年に起きた神戸連続児童殺傷事件で、犯人の少年の猫の虐待について報道されて、幼い頃に動物虐待をしていた人間は犯罪率が高い、という認識が世の中に大きく広がったためでした。

O.B. 神戸の事件では命に対して考えさせられましたものね。こういう悲惨な事件が起きたことで、変えよう!という動きは起こったのですね。

大沼 人間は悲惨な事件や出来事が起きないとなかなか気がつかないのですよね。そうなる前に変えていこうよ、と思うのですが・・・。国会議員の方々は超党派(全党一致)で賛同して下さり、異例の速さで保護法改正が成立されたのです(平成17年6月)。これは、命を大切にする、ひとりひとりの想いと行動が現実を創ったのだと思います。動物保護から「動物愛護」と改名され、愛護動物の殺傷は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金、飲食を与えないなどの虐待や遺棄は五十万円以下の罰金、ペット取扱い業者の登録制、動物実験の福祉の向上という内容が加わりました!

O.B. その後、ドッグヨガをはじめられたのですね?

大沼 愛護団体で様々な人間を見てきて、人が心穏やかになれたら、もう少し広い心で動物をうけとめる事ができる、では自分は何ができるのか、と考えていたところに、「ねえ〜、犬とヨガを組み合わせてやってみたら?」と友達からの一言!私がヨガを教えていたのを彼女は知っていましたから。その時は皆さんがドッグヨガと聞いて思われるように、私も「えっ!?」って思いました(笑)。まあ、とにかくやってみよう、とその友達とあれやこれやと実際にやってみると、凄く楽しい。犬も身を委ねて心地よさを味わっているのがよく伝わってきて、言葉では表現できない至福感に包まれたのです。これは私が伝えたい人間と動物という種の枠を越えた先にある、ひとつの存在同志の深い繋がりや愛が感じられる、まさにヨガの境地だ〜〜と、強い手ごたえがありました。その友達と2人で「うん、これだね」と、ドッグヨガを始めたんです。2004年のことでした。

O.B. ドッグヨガを行う目的はというと・・・?

大沼 ドッグヨガはポーズをとるのが目的ではなくて、人間と犬の関係をより良くするための手段の一つとして提案しています。犬と人間、異種の生き物がどうやって呼吸を合わせて生きていくのか、を考え感じてもらうものです。ですから、持ち上げられないから出来ない、と思ってやめてしまうのではなく、大型犬や重い犬、ヤンチャ犬、パピーや老犬、どんな犬でも「愛犬」ですから、愛犬と五感で感じあいながら呼吸をあわせてみようよ!っと伝えているわけです。犬と同じように私達人間も五感をフルに開いて、純粋な気持ちでね。そして、愛犬の最期のその時も、呼吸をあわせて安らかに天に送ってあげて欲しいのです。それが私の願いです。

O.B. 最後にメッセージをお願いします。

大沼 ヨガは「繋がる」という意味です。まずはドッグヨガによって自分と愛犬が深く繋がって、自分の中で大きく広がった愛を世界中の生き物たちにも広げていって欲しいなと思います。遠くアフリカやアラスカにいる野生動物と目の前にいる愛犬の命は同じ。みんな同じ地球の仲間たち、繋がっているのですから。そして、その想いを次の世代の子供達へ語り継いでいきましょう。

大沼則子(おおぬまのりこ)

『日本ドッグヨーガ普及協会』
http://dogyoga-wan.com/