ONELOVE すべての犬に愛と家族を。

special interview

フォトジャーナリスト、ニュースキャスターとして活躍した後、企業の取締役や理事長、会長職を歴任した野中ともよさんは現在、NPO法人『ガイア・イニシアチブ』の代表理事として東奔西走しておられます。野中さんからのスペシャルメッセージは前後編に分けてお伝えします。前編では今は亡き愛猫との微笑ましいエピソードから、ペットロスにならないマル秘の鍵、「命」について考えることの重要性を語っていただきました。

ONE BRAND(以下、O.B.) 野中さんは長年ご一緒に暮らしてこられた愛猫を亡くされたばかりだと伺いました。

野中 日の丸という名前で、彼は私の『恋人』だったんです。2008年の5月に逝っちゃいました、15歳で・・・今でも生きてますけどね。ケータイの待ち受けもヒノ君だし、ずっと傍に居てくれていますよ。

O.B. そうですか、野中さんの心の中にはずっと一緒に日の丸君がいらっしゃるんですね。現在も猫ちゃんと一緒に暮らしておられるのですよね?

野中 はい、今はサマンサという夫の『愛人』がいます(笑)。実は日の丸もサマンサも同じ3月3日生まれで、どちらも15歳だったんですよ。サマンサは三毛猫でアメリカにいる叔父のところからやって来ました。叔父は貨物扱いはしたくないので客席に乗せたのですが、猫が苦手な人もいるだろうからって、ファーストクラスを6席分確保して(笑)。ネコバカ、ですね。

O.B. すごいですね!それだけ愛しておられたのですね。サマンサは叔父様から、日の丸君が野中さんの一家に加わったのはどういうきっかけだったんですか?

野中 娘が小さい時に「どうしても猫ちゃんが飼いたい!」と言い出して。『これはいいぞ!』って思ったんです。それで知り合いのところから頂いてきて・・・。でも主人は犬しか飼ったことが無かったから、猫は何を考えているか分からない、大丈夫かな?って。彼のお家はお母さまもお父さまも犬が大好きな犬派一家だったので。今ではそれが信じられないくらいに、猫がこんなに可愛いとは思わなかったって。知らないってそういうこと。犬は素直で可愛いけれど、猫はストレートじゃない分はまっちゃうのかもしれませんね。

O.B. 日の丸君は15年間、野中さんご一家と幸せに暮らしてきたのですね。

野中 ヒノ君は遊んでほしい時、パンが入った袋などが閉じてある金色の、中に針金が通っているものありますでしょ?あれを1本、くわえて持ってくるんですよ。私が原稿を書いていると必ずお机の上にポトって。これは彼が遊んでほしいっていうサインで、それをパって投げると、サッ!!っと取りに行くんですよ。それでまたくわえて持ってきて、またポトって。

O.B. 犬みたいですね。持ってこいが出来るなんて。

野中 鳴くのも「ミャー」とか「ニャー」じゃなくて、「ウニャン」って鳴くの。それに歌も上手に歌うんですよ。口笛を吹くと声を出して一緒に歌うんです。「ニャニャニャーン♪」って。サマンサが家に来た頃は「なにしてんの?」って顔して日の丸と私を見てましたけど(笑)、あとから一緒に歌うようになって合唱してました。

O.B. じゃあ日の丸くんの性質というよりも、野中家にいると猫も歌えるようになるんですよ。

野中 アハハ。そうかしら?!常に音楽がかかっていますからね。(笑)

O.B. そんな野中さんも『恋人』との悲しい別れを経験されて・・・

野中 ヒノ君が亡くなったときに娘も主人も「ママは大丈夫?」ってそれが一番心配だったみたい。そんなみんな不安になってくれるほどラブラブでしたからね。

O.B. そんなにご主人様も娘さんも心配されるほどだった、野中さんのその時のお気持ちは・・・

野中 もう大変ですよ。最期は点滴も打たせてくれないんですよ、お医者様にも通っていたけれど。「僕、大丈夫だから」、「ずっと一緒だから」って説得されて、自分から「もう構わないで」って。だんだん食が細くなって、ひっそりと陰の方にいくようになっていって、朝起きたらいつも寝ているところでパタッと倒れていました。それを見た途端、「どこにいっちゃったの?」、「なにがどうしたの!?」って訳が分からないくらいに拒絶されたというか、置いてけぼりになった感じがして、もう涙が枯れるほど泣きました。

O.B. ペットロスにはならなかったのですか?

野中 う〜〜ん。幸か不幸か仕事が忙しいこともありました・・・。さよならをするために私が抱いて車に乗せて、主人が運転してお寺に向かったんですけれど、ヒノの身体は固いのにお手手がね、肉球が柔らかくって。ホワホワと暖かく感じたんですよ、本当は冷たくなっているんですけれど。ずっと触っているとフニャフニャ動いてくれて・・・。「なーんだ、なに悲しんでるの」ってヒノが言ってくれたんです。それで喪失感が全部無くなりました。ちゃんとお別れができたので、ストンって大丈夫になりました。それがなかったら私、1年間くらい黒い洋服しか着ないようになってたかもしれません。ペットと暮らしていると別れが必ず来ますよね。その時はしっぽとか肉球の感触を最期に味わうと、「あ、大丈夫。いつも一緒。」っていう感覚が得られると思います。それが秘密の鍵。今でも疲れちゃうと、移動中にケータイを見て「会いたいねぇ〜」ってヒノ君に話しかけてます(笑)。

O.B. 年間10万頭もの犬が殺処分されている現状について、『生き物LOVE』の野中さんはどのようにお考えでしょうか?

野中 それはペットとか、犬とか猫の問題じゃないんです。自分の子どもを殺す親が出てきている人類なんですよ。「だれでもいいから」って、「生意気だから」って理由で殺人が行なわれ、ましてや国連の避難所になっている学校に空爆をするっていう人類が、今、地球上にいるんです。だから、犬が殺処分されるという問題を解決するには、その事象が良い悪いっていう風にとらえるのではなくて、まず「生かされている命」についてもう一度考えるべき時だ、というふうにとらえることが大事だと思います。お金をかければ殺処分数を半減させる対策を講じることはできると思います。でもそれは歯が痛い時に、痛み止めを飲むのと同じで根本的な治療にはならないでしょう。それどころか痛み止めを飲んで安心していたら、もっと症状は悪化してしまう。だからと言って痛み止めは飲んじゃいけない訳じゃないんですよ。生活していかないといけないから、ちょっとは飲むけれども、きちんと治療する。虫歯の原因を見極めて食生活を改善する、あるいはきちんと歯を磨くようにする、やり方を変えない限り病巣はもっと悪くなるでしょう。だから10万頭の殺処分をペットの問題だという風にフォーカスを絞らないで欲しいというのが私の願いです。

O.B. 木を見て森を見ずというようになってはいけないと。

野中 そう。でもね、大きなことを考えるとフォーカスがぼけて、結局何もやらないっていう風になる傾向がある生き物ですから、人間は。だからペットの殺処分について考え、行動すると同時に、どうしてこんな風になっちゃったんだろう?と考え続けなければならない。そういう社会を作らないと犬の殺処分はなくならないと思うのです

野中ともよさんからのONE LOVEメッセージは、より深く「生きること」を考えさせられる後半に続きます。

野中ともよ(のなかともよ)

『NPO法人ガイア・イニシアティブ』
http://www.gaiainitiative.org/