ONELOVE すべての犬に愛と家族を。

special interview

いわずと知れたYMOのメンバーであり、ソロとしても意欲的に活動する高橋幸宏さん。 音楽のみならずファッションにも精通し、多方面の分野で才能を存分に発揮されています。 今なお世界中のアーティストに影響を与え続けている彼が愛してやまないのが「犬」。 犬を愛するようになった子供時代から「残りの人生の相棒を見つけたい」という現在の心境、殺処分されていく犬たちへの思いを伺いました。

自分と犬との関わりを考えたとき、犬の最期を看取ってから死にたいと思う。
それが今の僕の望みなんです。

ONE BRAND(以下、O.B.) 高橋さんは犬がとってもお好きだそうですね。

高橋 めちゃくちゃ好きです。実家ではずっと犬を飼っていたので、幼いころから犬がいるのが当たり前でした。うちは代々、柴犬を飼うことが多かったですね。でも、子供のころは動物が好きとか、愛しいっていう気持ちはなかったかな。というか、気がついたらそこにいたから意識してないんですよ。だからね、けっこうイタズラしてました。庭石にのぼって上から竹棒でつついたり。今思うとひどいんだけど、それこそヨソの犬にもそんな感じで、小学校の帰り道に近所のシェパードに顔を噛まれたこともあるくらい。

O.B. 犬好きになるキッカケがあったんですか?

高橋 小学校3、4年くらいかな。そのころはうちにルルっていう柴犬がいて。あるとき突然、肺の片方が詰まってしまったんです。でも当時の医学では原因不明。どうしようもなくて安楽死させました。ただ、僕は勝手に確信していたことがあって。庭にししおどしがあってね、その石の手洗いに溜まった水が古くなってぼうふらがわいていたんです。その水をルルがよく飲んでいた。それで「古い水が原因かもしれない」って。僕はルルが古い水を飲んでいたのを知っていたから、子供心に自分のせいで死んだんじゃないかと申し訳ない気持ちになりました。それからですね、犬への思いが変わったのは。6年生くらいになると犬を連れて広場に佇んでる自分がカッコイイって思ってましたよ。僕って寂しいなって(笑)

O.B. 最初にご自分で飼われた犬は?

高橋 メスのマルチーズのロロ。マルチーズは顔が可愛いよね。YMOのころなので、レコードジャケットにもなってるし、よく登場してますよ。16歳まで生きて、随分長生きしました。

O.B. 高橋さんの楽曲には犬に関わるものがありますよね。初めて宇宙に行ったライカ犬を題材とした『Laika』や『犬になれたら』など、犬への思いが歌詞に託されているのでしょうか。

高橋 うーん、なんでしょうね。釣りや他にも趣味はあるけど、詩に影響するのは犬だけなんですよね。自分でもよく分からない。ライカ犬のことは僕の好きなスウェーデン映画「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」を観て知りました。宇宙船と共に打ち上げられて、その最期については諸説あるんですが。犬の気持ちや精神性なんて結局僕には分からないけど、きっとこうだったらいいな、という思いはあって。犬への思いというよりは、犬みたいに生きられたらいいな、と。犬に自分を重ねているんです。

O.B. 新しく犬を迎える予定はないんですか?

高橋 実は今、相棒を探しているところ。一緒に渓流釣りに行きたいんですよ。海もいいですね。そうなると、中型犬以上の大きな犬がいいなぁと。ラブラドールレトリーバーとかね。いや、でも雑種の犬もいいな。まぁ、とにかく犬はみんな可愛いに決まってるから、キリがなくて困ります(笑)

O.B. まさに「相棒」といった感じですね。

高橋 相棒というか、友達というか。車に乗って隣に大きな犬がいる、っていうのに昔から憧れみたいなものがあって。僕は子供はいないけど、親子とか、人間同士ってその都度関係が変わっていくじゃないですか。犬と人の場合、最初にきちんと主従関係ができたら、その関係性はずっと変わらないものだと思うんですよね。これほど信頼できる相手はいないっていうか。まず犬の側がずっと変わらないでいてくれますから。思春期になって「お父さんヤダ」とかいわないし(笑)

殺されていく犬たちの目は絶対に「助けて」といってる

O.B. 多くの犬が捨てられ、殺処分されている現実については、どのような思いがありますか?

高橋 個人の場合、飼えなくなって捨てるわけでしょう。引っ越しとか、離婚とか。捨てる理由が簡単すぎて僕には理解できない。ペットを売買することで生じる問題もありますよね。人気の犬種だけを育てて、流行が過ぎれば捨てちゃうっていう。悪質なブリーダーやショップの問題はまず法律が変わっていくことが大きいと思うので、僕らも仲間とできることはやっていこうと。殺されていくあのコたちの目を見るとね、どう考えても「助けて」といってるようにしか思えないんです。でも、たとえば僕がすべてのコを連れて帰れたらそれでいいかというと、そういう問題ではないと思うし。3・11でも動物たちにとって悲惨な状況があって、生き物との関わり合いや、生き物に対してのあり方について改めて考えるようになりました。できれば自分の財産はそういう犬たちへ残したいですね。

O.B. たしかに東日本大震災では、人間だけでなく多くの動物やペットが被災しました。

高橋 東京でもいつ大きな地震が起こるか分からない。実際に今、大地震が起きたら果たして犬を連れて逃げられるのか。犬と避難所に入れるのか。きっと無理でしょう。こういった対策は本当に今から急いで動かないと間に合わないと思う。僕の残りの人生を考えたときね、相棒になる犬よりも先に死にたくないという思いがあるんです。犬を最期まで看取りたい。これが今の望みだから。

O.B. それでは最後に。きっと相棒が見つかったら、新しい楽曲の歌詞に登場しそうですか?

高橋 そうですね。出てくるかもしれない。

O.B. 楽しみに待っています!

 

高橋幸宏(たかはしゆきひろ)

1972年、Sadistic Mika Bandに参加。1978年、細野晴臣、坂本龍一とともにYellow Magic Orchestra(Y.M.O.)を結成、国内外に大きな影響を残したが、1983年12月をもって「散開」。ソロ活動と併行して鈴木慶一(ムーンライダーズ)とのTHE BEATNIKSとしても活動。また、2001年には細野晴臣とSKETCH SHOWを結成し、2004年以降は坂本龍一も加わりHAS、HASYMO、Yellow Magic Orchestraとバンド名を使い分け不定期に活動中。2008年、原田知世、高野寛らとバンドpupa(ピューパ)を結成。ソロとしては、1978年の1st『Saravah!』以来、2009年発表の『Page By Page』までに22枚のオリジナル・アルバムを発表。ファッション・デザイナーとしても長いキャリアを持つ。


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