ONELOVE すべての犬に愛と家族を。

special interview

『南国少年パプワくん』などの代表作で知られる漫画家の柴田亜美さんは、犬との生活がきっかけとなり、自称「ひきこもり」の生活を脱し、現在は動物保護団体の一時預かりボランティアとして、愛犬3頭と保護犬1頭で暮らしています。一時預かりボランティアになる人を増やしたい、シニア犬の良さを知って欲しいと、様々なお話をいただきました。

ONE BRAND(以下、O.B.) 今年7月25日に保護犬の一時預かりボランティアとしての体験を綴ったコミックエッセイ「ほごけん~ヒトと保護犬の赤い糸さがし」(竹書房)を上梓されました。柴田さんが保護犬の問題に関心をもったきっかけは何だったのでしょうか?

柴田 保護犬の存在自体はずいぶん前から知っていましたが、問題意識を強く持つようになったのは2005年の「広島ドッグパーク事件」がきっかけでした。「広島ドッグパーク」という犬のテーマパークで飼われていた約300頭もの犬が、経営破たんと同時に飼育放棄された痛ましい事件。テレビなどでも大々的に報道されたので、記憶されている方も多いのではないでしょうか?私もその報道を見て、人間の勝手で不幸な境遇に陥る犬の命をなんとか救いたいと強く思うようになりました。
もともと犬は大好きで2頭の犬・茶壺&伽羅と一緒に暮らしていたのですが、以前は賃貸マンションで飼育できる頭数に限界がありましたから、保護犬を引き取ることができませんでした。でもいつか持ち家を買えたら、絶対に保護犬を飼うと決めていたんです。その後、今のマンションを購入、早々に保護犬の一時預かりボランティアを始めました。
現在は、茶壺&伽羅の2頭に加え、元保護犬の蛍を引き取って一緒に暮らしています。同時に保護団体アルマの一時預かりボランティアスタッフとしても活動していて、今はポメラニアンのメイ(♀、推定9~10歳)を預かり中!こんなてんやわんやの生活を綴ったブログが竹書房さんの目に止まり、コミックエッセイ・「ほごけん~ヒトと保護権の赤い糸さがし」を上梓することになったのです。

O.B. 元保護犬のホタルを飼うことに躊躇はありませんでしたか?

柴田 私、保護犬と里親とは運命の赤い糸で結ばれていると思うんです。私と蛍も見えない糸で繋がっていたみたいで、全く躊躇はなかったですね。
蛍は当時15歳のシニア犬。破たんしたブリーダーから保護された直後で健康状態も悪く、耳には垢がびっしりと詰まったひどい状態でした。このため、アルマの事務局からの呼び掛けも「最期をみとる覚悟で引き取れる人はいませんか」と言うものでした。15歳という年齢を考えるとそんなに長く一緒に暮らせそうもないし、医療費もかさみそうだからという理由で飼うのを躊躇するのが普通かもしれませんが、不思議なことに私はすぐに「引き取ります!」と手を挙げたんです。蛍を見た瞬間、「この子はうちの子になる」って直感してしまったわけですから、ホントに運命の赤い糸で結ばれていたとしか思えません(笑)。

O.B. ホタルと実際に暮らしてみた感想はいかがですか?元保護犬ゆえに苦労したことはありますか?

柴田 全く問題なかったですね。むしろシニア犬ってすごく癒されるんですよ~。まるで穏やかな生き仏様と暮らしているみたい(笑)。
もちろん、最初は先住の2頭と折り合いが悪かったらどうしようと心配しましたが、蛍は「大人」ですから、2頭と喧嘩するようなこともなく、すぐに打ち解けてくれました。それに、シニアだから長時間の散歩は必要ないし、動き自体がとってもスロー。私のような引きこもり気味の漫画家には、シニア犬のほうがむしろ飼いやすかったりして…(笑)。
高齢の飼い主に先立たれた犬が、行き場を失って保健所に持ち込まれるという悲しい話を耳にしますが、シニアの保護犬を引き取って飼って下されば、こういう残念なケースは減らせるかもしれないですね。子犬を一から躾けたり、元気いっぱいの若い犬を散歩させたりするのはすごく大変で、高齢者の方にはかなりの負担になりますが、シニア犬ならその心配もないわけですし。
ブログや今回のコミックエッセイでも、そんなシニア犬の魅力をたっぷりアピールしてます!私たちの、のほほ~んとした生活ぶりを読んだ方が「保護犬にはこんなにいいところがあるんだ!」とか「シニア犬ってこんなに飼いやすいんだ!」って思ってくれたら嬉しいですね。

O.B. 保護犬は医療費がかかるので飼うのを躊躇するという方もいますが…?

柴田 確かに保護犬は保護された時点では、健康状態の良くないケースが多いですね。でも「保護犬だから医療費がかかる」という言い方は、正しくありません。正しくは「犬には医療費がかかる」ではないでしょうか?保護犬であってもなくても、ほとんどの犬は年齢を重ねるにしたがって、体に不調が起こりがちになり、医療費もかかるようになるからです。人間と同じですよね。
その他、ワクチン代やノミ・ダニ予防代、餌代やペットシーツ代などなど、犬を飼うとそれなりの出費を伴うのは当たり前。犬を飼い始めたものの、途中で「やはり経済的に飼いきれない」と言って飼育放棄する人が後を絶たないのは、ここをしっかり理解していないからだと思います。だから、私は周囲に犬を飼いたいという人がいたら、「犬のいる生活は素晴らしいけど、お金も手間もかかるよ!」としっかり伝えるようにしています。

O.B. 1頭でも多くの保護犬が新しい家族と巡り合えるようにするには、何が最も必要だと思いますか?

柴田 やはり保護犬の存在自体をもっと多くの人に知ってもらうことですね。ONEBRANDさんのようなメディアの力も大切ですが、私たち保護犬の飼い主が自らPRしていくことも大事じゃないかな。実際、私、散歩中によく話しかけられるんですよ。4頭もぞろぞろ連れて散歩しているから目立つんでしょうね(笑)。それで事情を説明すると、皆さん驚いて、とても興味深そうに話を聞いて下さいます。
なにもすぐに保護犬を飼ってくれなくてもいいんです。いつか犬を飼うとき、あるいは周囲に犬を欲しがっている人がいる時に「そういえば保護犬の話、きいたことあるなあ」って思い出してくれたら、嬉しいです。
都市部ではここ最近、本当に殺処分問題や保護犬の存在が知られるようになってきましたよね。つい最近も六本木でランチを食べていたら、隣の席のごくごく普通のOLさんが熱心に保護犬の話をしていて、びっくり!保護団体やボランティアの皆さんの努力が、今やっと少しずつ実り始めているんだなと嬉しい気持ちになりました。ただ、地方に行くとまだまだ動物愛護の意識が低く、保護犬への理解も進んでいないエリアが多いのは残念です。

O.B. 今後の目標を教えて下さい。

柴田 引き続きアルマさんでの一時預かりボランティアを続け、一頭でも多くの保護犬が新しい家族と出会い、幸せに暮らせるためのお手伝いをしたいと思います。漫画家としては、もしまた機会があったら保護犬についてもう少し突っ込んだ内容の作品を描いてみたい。命の大切さを再認識してもらえるような作品にできたらいいですね。
犬と暮らすのは本当に素晴らしいこと。人間をこんなに一途に想ってくれる動物は他にはいません。私自身、大げさでなく、犬に命を救われたようなものなんです。犬を飼い始めて生活が規則正しく健康的になり、長年の不眠症も解消。犬の食事に気を遣っているうちに、自然と自分自身の食生活も改善されました。もし、犬を飼っていなかったら、今、私は入院しているか、もしかしたら命を落としていたとしてもおかしくない。それほど以前の私の生活はひどかったんですよね。そこから私を救いだしてくれた犬たちに、これからもずっと恩返しをしていくつもりです。
ブログでも随時、犬たちとの暮らしや保護活動の最新情報をご紹介していきますので、よかったら覗いてみて下さいね!

O.B. 柴田さん、ありがとうございました!

柴田亜美(しばたあみ)

『公式サイト「かげろうの墓」』
http://www.papuwa.com/
『ブログ「漫画家の犬たち」』
http://ameblo.jp/mangakanoinutachi/


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