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ONE LOVE Info

2017.11.10(金) 09:00:43

【環境省コラム】知りたい!動物愛護への取り組み Vol.12
山口県 下関市「いのちの教室の取り組み」

ONE BRANDマガジンで人気連載コーナーだった「環境省コラム」がONE LOVE WEBでもスタートしました。動物の命を大切にし、やさしさあふれる人と動物が共生する社会の実現を目標とした「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」の中で、全国の自治体が取り組んでいる事例の数々を、ひとつずつお伝えしていきます。

 

今回は小学生を対象に、いのちの大切さを学ぶための「いのちの教室」を実施している下関市の取り組みについてご紹介します。

 

■7年間でのべ1万人が受講

下関市が「いのちの教室」の取り組みを始めたのは、平成22年のこと。以来、年8回前後のペースで主に市内の小学生を対象に実施し、これまでにのべ1万人が受講しました。

教室では市の職員が講師役として各学校を訪れ、1コマ約45分の時間を使って、オリジナルの教材をスライドで見せながら、「いのちのたいせつさ」を解説していきます。教材の作成にあたっては、奈良県の「うだ・アニマルパーク」の「いのちの教育」を参考にし、内容について同パークのアドバイスを受けたそうです。うだ・アニマルパークでは張り子の動物を使用していますが、下関市では職員が描いた可愛らしい動物のイラスト入りのスライドを作成、低学年の児童でも興味を持ちやすく、内容を理解しやすいようにしています。また、児童たちが飽きてしまわないように、途中で質問コーナーを設けるなど、一方通行の講義にならないように配慮して、児童や先生の心音を心音計で聴くコーナーを設けています。学校で飼育しているうさぎなどの心音を聴くこともあります。さらに、児童たちだけでなく、保護者にもいのちの大切さについて改めて考えてもらおうと、あえて参観日にいのちの教室を開催したこともあるそうです。

 

市の担当者は「いずれのケースでも児童や保護者、学校関係者の反応は概ね良好で、わきあいあいとした雰囲気の中で、楽しみながら命の大切さについて学んでもらえているようです」と話しています。

 

■子どもたちの反応に一定の手ごたえ

「いのちの教室」を受講した児童からは、「いのちを大切にしなくてはいけないことがわかった」「動物にも人間と同じように心があることがわかった」などの感想が寄せられることが多く、市では一定の手ごたえを感じています。担当者は「この教室で、いのちの大切さを学んだ小学生たちが大人になるころには、今よりももっと動物愛護への意識が高い社会になっていることを願って、地道に活動を継続していきたい」と話しており、今後も同市では大人向けの啓発活動と並行して、子ども向けの啓発事業である「いのちの教室」の取り組みを続けていくことにしています。

また、下関市では、小学生向けの「いのちの教室」以外にも、要望があれば高校などへの出前講座にも対応しており、その場合は、保健所での犬や猫の引き取りや殺処分の現実も解説、終生飼養の大切さを理解させるようにしています。

 

担当者は「今後もできるかぎり多くのいのちの教室や出前講座を行い、1人でも多くの子どもたちに動物と自分たちとのかかわり、そしていのちの大切さを考えるきっかけとしてもらいたい」と話していました。

 

■課題は人材の確保

今後、「いのちの教室」などの取り組みをさらに充実していくにあたっての、最大の課題は、人材の確保です。現在、いのちの教室の講師役を務めるのは、市職員でもある獣医師3名のみ。学校からの依頼が集中する「下関市いのちの日」(4月13日)には、午前と午後に分散して実施するなど、なんとかやりくりをして、できる限り学校側の希望に合わせる努力をしているそうです。

下関市では「市内すべての小学校でいのちの学校を実施するのが理想ですが、なかなか実現は難しい状況です。犬や猫との触れ合いができる「ふれあいサークル」や動物愛護と正しい飼い方を学べるパネル展示などのある、下関市動物愛護管理センター(動物ふれ愛ランド下関)でイベントを開催するなど、「いのちの教室」以外の方法で、子どもたちをはじめ、市民の皆さんに対する啓発活動を充実させていきます」としています。

 

 


◯ 環境省 <<人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト>>