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ONE LOVE Info

2017.10.25(水) 17:00:35

【環境省コラム】知りたい!動物愛護への取り組み Vol.11
鹿児島県「所有者不明の犬猫対策」

ONE BRANDマガジンで人気連載コーナーだった「環境省コラム」がONE LOVE WEBでもスタートしました。動物の命を大切にし、やさしさあふれる人と動物が共生する社会の実現を目標とした「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」の中で、全国の自治体が取り組んでいる事例の数々を、ひとつずつお伝えしていきます。

 

今回は離島における所有者不明の犬猫対策を進めている、鹿児島県の取り組みをご紹介します。

 

■適正飼養啓発推進で、犬や猫の収容数減少を目指す

鹿児島県は全国で4番目に有人離島数(人が住んでいる離島の数)が多い県です。奄美大島と喜界島を管轄する名瀬保健所管内には平成28年末現在で犬の登録数は約3,800頭、徳之島と与論島、沖永良部島を管轄する徳之島保健所管内では約3,000頭の犬が飼われています。

 

一方、これらの離島では犬や猫の適正飼養についての課題も多く、飼い主が去勢避妊を施さないまま犬を放し飼いにしてしまったために、犬が繁殖を繰り返してしまうケースも見られ、結果として、保健所への収容数も県内の他の地域に比べて多い傾向にあります。また、近年では、県内の奄美大島と徳之島にしか生息していない天然記念物のアマミノクロウサギが野生化したノネコに捕食されているなどの被害も出ており、離島での犬猫の適正飼養の推進がますます強く求められるようになっています。

アマミノクロウサギ(Wikipediaより引用)

 

そこで、鹿児島県では平成28年度から奄美大島と徳之島で有識者を招いた動物愛護思想普及啓発イベントを開催するなどして、飼い主のみならず島の全住民の皆さんを対象に適正飼養を訴える事業を展開しています。

 

■専門家による無料セミナーと「しつけ実演」が好評!

このうち、平成29年2月には徳之島で実施した無料セミナーでは、公益財団法人動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクターの持永陽子さんを講師に招き、「飼い犬と楽しく暮らすために」をテーマに約2時間の講演を行い、約50名が参加しました。このセミナーで特に好評だったのは、持永先生による犬のしつけの実演。

島にはしつけ教室がないので、プロのインストラクターによる実演を見るのが初めてという人も多く、「やり方次第で、ここまで上手に犬をしつけられるのですね」という驚きの声が上がっていました。県では専門家によるセミナーを奄美大島でも実施したほか(約20名が参加)、適正飼養に関するチラシを配布(犬猫各2,500部)しました。

 

<犬用チラシ:写真クリックで拡大します>

 

<猫用チラシ:写真クリックで拡大します>

 

県の担当者は「これらのセミナーに足を運んでくださった方は、島内でも動物愛護について意識の高い皆さんが大半だと思います。今後は保健所職員が島のイベントなどに参加するなどして、普段はあまり関心を持っていない方にも、犬の収容の現状や犬猫の適正飼養の大切さを知るきっかけづくりを進めていきたい」と話しています。

 

■民間との協力体制確立が課題

また、今後も、適正飼養のための啓発活動を続けていくための課題として、県では島内の民間グループとの協力体制の確立を挙げています。

 

県の担当者は「現状は、保健所職員が主導でセミナーなどの事業を行っていますが、今後は島内の有志の皆さんと一丸になって活動できる体制を確立したいと考えています」として、「将来的には、島の住民の皆さんが自発的にイベントや学びの場を運営していただくことを通じて、島全体で適正飼養に関する意識を向上していけるよう、保健所としてもサポートしたいと考えています。すぐに目に見える成果が出るたぐいの取り組みではありませんが、粘り強く活動を続け、収容頭数の削減につなげていきたい」と話しています。

 

 


◯ 環境省 <<人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト>>