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2017.08.26(土) 21:50:00

ニッポン放送 「ペットと一緒に」vol.44
耳そうじ不要論を考える。愛犬の耳の健康を保つには

近頃は人間の「耳そうじ不要論」を耳にするようになりました。犬についてはどうでしょうか?

さっそく、複数の獣医師に取材しました!

今回は犬の耳の健康を保つ秘訣についてご紹介します。

 

野生動物は耳そうじをしない

「人間同様、耳の状態が良好な犬ならば、耳そうじはほとんど必要ありません」と語る獣医師もいます。そもそも、野生動物は耳の汚れを自分では落とせません。確かに、それは一理あるなと筆者も感じました。

 

余談ですが、筆者の愛犬のノーリッチ・テリアのリンリンは、自分の娘犬であるミィミィの耳をいまだにペロペロと舐めて「お世話」することがあるのですが、一度かかりつけ医に「耳を舐められると、口腔内の雑菌が耳に付着してしまったり、耳道が湿った環境になったりするので良くありません。もう子犬じゃないのに、お世話をしてあげるリンリンちゃんの姿を見ていると微笑ましいですよね。でも、見つけたらやめさせましょう」と注意されたことがあります。

 

これが衛生的にはNGな、母犬(12歳)が娘犬(8歳)の耳を舐めるシーンです

 

 

人間にも犬にも、耳には自浄作用が備わっているので、綿棒などで耳垢を掻き出すのは不要だというのが、耳そうじ不要論の根拠です。

 

耳が健康な状態であれば、鼓膜の汚れが放射状に移動しながら、耳の入口まで運ばれて清潔を保てるのだそうです。

 

「耳の皮膚はとても薄くてデリケートです。綿棒のようなソフトなものでも、擦ることで皮膚に傷がつきます。汚れや菌などを、綿棒がさらに耳の奥に押し込めてしまうこともあるので、綿棒での耳そうじはおすすめできません。皮膚のバリア機能が耳そうじで損なわれると、外耳炎の発症リスクが高くなるので注意が必要です」と、多くの獣医師は述べています。

 

耳の健康が損なわれるとき

高温多湿な時期には、外耳炎で動物病院を訪れる犬が増えます。

 

それは、ジメジメした環境下では耳道内も高温多湿になり、細菌やマラセチアなどの真菌の繁殖に適しているから。そして、汚れが出すぎて自浄作用が追いつかなくなることがあるからです。

 

外耳炎の原因は多種多様で、食事性アレルギーによるケースも少なくありません。

 

また、解剖学的な特徴で、シー・ズーやフレンチ・ブルドッグなどの脂漏体質の犬種、チワワやポメラニアンなど耳道が狭い犬種なども外耳炎を好発すると言われています。

 

「脂漏体質なうえに、垂れ耳だから耳がベタベタしちゃうのよね…」

 

飼い主さんが愛犬の耳を覗いてみて、肉眼で汚れが確認できるようであれば、イヤークリーナーで耳の汚れを落としてあげてください。

 

「過剰な洗浄は皮膚のバリア機能のバランスを壊すため、月に1回程度の頻度で問題ありません。イヤークリーナーを耳に入れたら、耳の根元を数回揉んでください。その後、頭部を愛犬がブルっと振る動作によって、汚れと一緒に水分が排出されます」と、トリマーでもある獣医師。人間と犬は耳道の造りが異なるので、液体が耳に残留する心配は不要です。

 

耳の表面がベタベタしていて耳垢が付着しているようであれば、イヤークリーナーをコットンに含ませてそーっと耳の表面の汚れを拭い取ってあげるのも良いでしょう。

 

耳の健康診断と治療の最前線:ビデオオトスコープ

最近、獣医療の現場でビデオオトスコープ(耳内視鏡)が普及してきています。これは、耳道内の様子をモニタ画面で数十倍に拡大して見る検査のためや、耳道内に入った異物の除去、耳の腫瘍の生検、内耳からの排膿を行うための鼓膜切開などが行える機器。

 

外耳炎の発症リスクが高い犬は、定期的にビデオオトスコープでの耳の健康診断ができれば理想的です。

 

検査だけではなく、耳の内部の細部まで徹底的に洗浄できるので、耳のトラブルの予防のためにも最適です。

 

耳のトラブルは予防が肝心!

 

結論としては、外耳炎の発症リスクの低い犬種で、汚れが見当たらず、耳のにおいを嗅いでも臭くないなど、耳にトラブルのない犬は、耳そうじはほとんど必要ありません。

 

耳のトラブルが心配な愛犬には、ビデオオトスコープによる定期的なチェックと洗浄や、月に1回程度のイヤークリーナーによる耳そうじを行えば安心です。

 

耳そうじをするのと同時に、夏場は扇風機ではなくエアコンを使って高温多湿な環境にならないように心がけることも大切です。

 

外耳炎になると点耳薬などで治療します。これは先日、筆者の愛犬に処方された薬

 

耳炎になると、犬では手術による治療が必要になる例もめずらしくありません。

 

飼い主さんの心がけ次第で予防も可能な耳のトラブルから、ぜひ愛犬を守ってあげたいものです。