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ONE LOVE Info

2017.08.25(金) 10:00:50

【環境省コラム】知りたい!動物愛護への取り組み Vol.7
京都市 きょうとアニラブクラス~思いやりの心を育む出張動物愛護教室~

ONE BRANDマガジンで人気連載コーナーだった「環境省コラム」がONE LOVE WEBでもスタートしました。動物の命を大切にし、やさしさあふれる人と動物が共生する社会の実現を目標とした「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」の中で、全国の自治体が取り組んでいる事例の数々を、ひとつずつお伝えしていきます。

 

第7回は、オリジナルの子ども向け講座「きょうとアニラブクラス」を展開し、動物愛護精神や適正飼育・終生飼育の啓発を目指す京都市の取り組みをご紹介します。

 

■「犬って怖くないね」と、子どもたちが笑顔に

京都市では、幼少期・少年期からの動物愛護精神の形成を目的に、平成24年度から市職員の獣医師や市内の動物愛護ボランティアが講師となって市内の小中学校に出向き、学年に応じた授業を実施する「きょうとアニラブクラス」を展開しています。年度の初めに各学校宛に実施概要を案内し、要望のあった学校で実施する形をとっており、年によって異なりますが、これまでに年に5校~17校で開催してきました。

 

 

授業では、まず、講師が犬との適正な接し方や、京都市における犬や猫の殺処分の現状、動物愛護センターの役割などを講義したあと、同伴するセラピー犬や聴導犬との触れ合いタイムへ。子どもたちは実際に犬の身体を触って命ある動物の温かさを感じたり、聴診器で犬の心音を聴くことによって命の大切さを実感したりする時間を持ちます。京都市の担当者によると、最近は日常的に動物と接した経験がなく、アニラブクラス受講前は「犬が苦手」「犬が怖い」という子どもも少なくないそうですが、そんな子どもたちも、この触れ合いを経験して犬への苦手意識が薄れ、「思ったより怖くなかった」「かわいかった」「犬の触り方がわかった」などと、笑顔を見せるケースがよく見られるそうです。担当者は「本クラスを通じて動物に親しみを持ち、適正な接し方を知ることによって、犬による咬みつき事故の抑制につながることも期待している」と話しています。

 

スタートから6年度目に入り、実施校の生徒や教師からも好評を得て定着しつつある「きょうとアニラブクラス」ですが、課題もあります。それは、実施校がまだ市内の小中学校の1割程度にとどまっていること。市の担当者は「周知が十分でなく、学校の先生方にアニラブクラスの存在自体を知ってもらえていない可能性も十分あります。今後はより多くの学校で実施できるように周知に努めたい」と話しています。ただ、講師を務める市の職員数にも限りがあるため、現状でも、希望日時が重なった場合は、最初に申し込みのあった学校以外は断らざるを得ない状況。今後、実施希望校が増えた場合に対応できる体制の整備も課題となっています。

 

■命の大切さを伝える「動物愛護副読本」も好評

また、京都市では平成26年12月に京都府とともに制定した「京都動物愛護憲章」の下、動物の命を尊ぶ心や動物との適正なかかわり方を伝えることを目的に、動物愛護副読本を作成しました。以来毎年度、市内の小学校1年生(約1万1000名)にこの副読本を配布、小学校では2学期の生活科の授業で活用され、好評を得ています。副読本作成にあたっては、カラフルなイラストを多用したり遊び感覚で学べるよう工夫するなどして、小学生にも動物愛護の大切さを理解しやすい内容となるように配慮しています。

 

 

この副読本は「アニラブクラス」の教材としても活用しているほか、幼児にも読み聞かせができるように紙芝居にアレンジして市内の幼稚園や保育園、児童館にも配布して、活用を呼びかけています。市の担当者は、「アニラブクラスの開催がない学校の生徒も、この副読本を通じて、小学校時代に動物たちを取り巻く現状や、動物の命の大切さについて知る機会を持てるよう配慮しています。こういった啓発活動は、すぐに具体的な効果が表れるものではないが、今後も地道な活動を続けて動物愛護精神を育み、子どもたちの健やかな心の育成に貢献していきたい」と話しています。

 

 


◯ 環境省 <<人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト>>