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ONE LOVE Info

2017.07.25(火) 09:00:50

【環境省コラム】知りたい!動物愛護への取り組み Vol.5
奈良県「いのちの教育」

ONE BRANDマガジンで人気連載コーナーだった「環境省コラム」がONE LOVE WEBでもスタートしました。動物の命を大切にし、やさしさあふれる人と動物が共生する社会の実現を目標とした「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」の中で、全国の自治体が取り組んでいる事例の数々を、ひとつずつお伝えしていきます。

 

第5回目は、奈良県が行っている「いのちの教育」をご紹介します。

 

平成28年度は48の小学校で実施

奈良県では、宇陀市にある県営施設「うだ・アニマルパーク」を拠点に「いのちの教育」に取り組んでいます。「いのちの教育」は、

 

(1)動物への思いやりを深め、「いのち」の大切さを実感させること

(2)他者との関わりを深めながら、情操を豊かにすること

(3)野生動物を含む自然環境の保護についての理解を高めること

 

を目指しています。

 

平成24年度からは、もともと各学校が取り組んでいる「自分を含めたあらゆる命を大切にし、共感する心を育む教育~ヒューメインエデュケーション」に、この「いのちの教育プログラム」を導入して、継続的にその効果を相互確認できるモデル校を募集しています。平成28年度は県内48の小学校を指定しました。

原則として3回授業のうち2回はパーク職員による出前授業、1回はパークでの授業および体験学習を盛り込むことになっています。

 

☆モデル校での「いのちの教育プログラム」活用例(うだ・アニマルパークHPより抜粋)

 

自ら考え、答えを導き出していくプログラム

いのちの教育の実施にあたって、奈良県では独自のツールを開発、活用しています。

「小学生プログラム」では、張り子の動物と環境ボード、関わりパネル、シートなどを使って「気づき」・「共感」・「責任」をキーワードに

 

➀私たちと動物との関わりに気づき、

②動物にも感情や要求(ニーズ)があるということ、動物の「いのち」が私たち人間と同じであることを感じ、

③それぞれの動物の「いのち」がよりよく生きるために私たちがどのような責任を負い果たすべきなのかを考えます。

 

授業は、まず、プログラムⅠとして張り子の動物を「自然」「街」「牧場」の3つのエリアを表したパネルに配置し、人間との関わりを子どもたちにわかりやすく示すことからスタート。その後は、プログラムⅡ・Ⅲとステップアップしながら動物と人間、それぞれの命の大切さを学んでいきます。いのちの教育で学んだことを活かして図画工作で動物の絵を描いたり、国語で感想文を書いたりと、さまざまな科目で学習に応用させる学校もあるそうです。

奈良県では、「いのちの教育は、小学校の教諭がアニマルパークに配置され、職員と教諭が連携しているからこそ、実現できる取り組み。どのモデル校も遠足の機会などを使って必ず1度はアニマルパークを訪問、職員の授業を受けることになっている。動物のプロによって動物福祉が満たされた状態での飼育を見せることができるアニマルパークの存在は、動物に対して果たすべき責任(動物福祉)について学ばせる良い機会にもなっているようだ」と話しています。

 

中高生向けプログラムも展開

平成24年のスタート以来、子どもたちや学校関係者からも好評を得て、年々受講者数を伸ばしている「いのちの教育」ですが、奈良県では、今後はさらに「いのちの教育」を広く周知してモデル校を募り、将来的には奈良県内の全小学校での実施を目指しています。

 

同時に、奈良県ではこの小学生プログラムに引き続き、中高生向けプログラムを開発、その実施に力を入れており、「いのちの教育は、次世代を見すえた長期的な取組であり、その成果は直ちに目に見えるものではないが、地道に活動を続け、人と動物が共生する社会づくりの担い手の育成に貢献していきたい」と話しています。

 


◯ 環境省 <<人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト>>